「白熱する主食決定戦!優勝するのはおやびんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「結論から言ったーーーーーーーー!!!」

 



全日本主食決定戦 〜その二〜

 



特設会場は一部を除いて異様な盛り上がりをみせていた。
ところ天の助は手当たり次第にけんかを売ってるし、ボーボボはサングラスしか面影がない(パン化)。
ビュティのつっこみも冴えるし、ライスは嵐の前の静けさとしか思えないし、
相変わらず未曾有のハイテンションで会場を混乱に巻き込む首領パッチとそれに答えるかのようにひいきしまくる破天荒の実況。
歓声を上げる観客(森の動物たち)に、疑問とともに疲労を感じるヘッポコ丸であった。

「皆に田楽を喰わせるのらー」
「日本の主食に一番大切なものは・・・・・・・弾力性です!!!」
「違う!!大切なのは耐水性だ!!!」
「何言ってんだお前ら!重要なのは安全性だろが!!!」
「一番?んー・・・・・・・ロウソクですねV」
「もれなく違う!!!!」

各食品代表に、ビュティがひとしきり叫ぶ。
ビュティの息も収まったところで、ところ天の助が前に進み出て挨拶を始め、

「えー皆さん、全日本主食決定戦にお越しいただき」
「早速ルールの説明するぜ!!!その前に言っておく・・・・ナマステ!!!!」

瞬時にボーボボにマイクを奪われた。

「うわーボーボボ返せよー俺の晴れ舞台ー」
「エントリー者は自分の食品で料理勝負をする!一番高評価を得られたものが日本の主食に選ばれるのだ!!!最後に言っておく・・・・・ルール無用!!!!!」
「説明した意味無ぇーーーー!!!!」

なんだかんだ言ってきちんとつっこみを入れているビュティに尊敬の念を抱き始めるヘッポコ丸である。
と、「スタッフ」と書かれた札をかけたクマがやってきた。破天荒に何かが書かれた紙を渡し、早足に去って行った。
ビュティとヘッポコ丸がその紙を覗いてみると、ただ一言「マギー」とある。

「???」
「何?これ」
「さぁ親愛なるおやびんVvとあと他の食材ども!!!対抗料理勝負開始だあああああああああ!!!!」
「今ので分かったの!!!?」

ごく普通に司会進行をしている破天荒に、絶叫を禁じえないビュティである。
そうこうしている間に、スタッフクマ達がどこからかキャスターつきのシステムキッチンを転がしてきた。全部で五台、もちろんエントリー人数分だ。

「あのさ」
「何だそのキッチン!!?・・・・・え、何?へっくん」

やたら深刻そうな顔のヘッポコ丸が告げる。

「料理の審査、もしかして俺らがやることになるんじゃないか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!」

最悪の事態を想像しちゃったビュティの背後に、稲妻が光った気がした。

「ど、どうしよう破天荒さん!!!?」
「ああ、おやびんの幻の手料理を口にできるなんてどうしよう!!!!?」
「やっぱりダメだこいつ!!!」

さらに遠くの世界に逝ってしまっている破天荒に、ヘッポコ丸が叫ぶ。ビュティは頭を抱えていた。
それすらも無視して、選手がそれぞれの調理場所にスタンバイする。システムキッチンの道具類はやたら完璧にそろっていた。
主食決定戦オリジナルエプロンまである。

「ああ・・・もしやこれは・・・・・・おやびんの裸エプロン!!!!!」
「じゅあ普段は全裸かよ」

現実逃避を始めているビュティに代わりつっこんだヘッポコ丸だが、逆にアクセルを踏ませてしまったらしい。

「ぶっはああああああ!!!おやびん最高!!!!おやびん最高!!!!!」
「鼻血を拭け。お前何か変態じみてきてるぞ」
「そこに変態がいるというならば引き下がるわけにはいかないね」
「何張り合ってんだライス!」

自分のエプロンの紐を結びながら近寄ってきたライスに、ヘッポコ丸は警戒色丸出しで言い放つ。

「よっしゃあああああ!料理勝負開始!おやびんの制限時間は一時間、他の連中は七秒!!」
「七秒!!?」
「少なッ!!!手ぇ洗って終わっちゃうよ!!!調理場の意味ないし!!」
「あ、復活した」

つっこみを再度放ったビュティに、ヘッポコ丸は安堵の声を漏らす。

「それにしても七秒じゃホントにどんな料理が・・・・」
「できたぜ!!!」
「できちゃったーーーーー!!!」

ビュティが叫んだのも無理ではない。
開始わずか0.025秒(推定)。ところ天の助を押しのけて料理を出したのはボーボボであった。

「おいボーボボ、人間の食えるモノ作ったんだろうな?」
「この俺を甘く見るなよ。ついさっきみりんと酢の違いに気がつきました」
「だめじゃん!!!!!!」

明らかに態度が変わった破天荒の言葉に、ボーボボがさらに不安を掻き立てる一言。

「信じれば・・・奇跡は起こる!!」
「料理を奇跡に頼るなーーーーー!!」
「そしてこれが魂の結晶だああああ!!!」

そう叫び、ボーボボがその魂の結晶(料理)とやらを審査員席に叩きつけた。

「こ、これは・・・・・!!!」

ヘッポコ丸が息を呑む。
この料理をなんと形容すべきか。形状的には「おかゆ」が一番近い感じだ。
そこはかとなく正体不明の何かの足が突き出ていることを無視すれば、食べられなくもない。ただし、全体的に青緑色なのだが。

「伝説にある空中庭園戦争に使用されたという、極甘オムレツ結晶カミツレ風・・・・・・!!」
「食・え・る・かああああああああああ!!!!!」
「やっぱり知ってたーー!!そして投げたーーーーー!!!!ていうかパンじゃないーーーー!!!」

バトルおたくぶりを発揮するヘッポコ丸を尻目に、破天荒がちゃぶ台返しよろしくその物体を放り投げる。
極甘オムレツ結晶カミツレ風は、空高く舞い上がってどこかに消えた。

「ひどい・・・一生懸命早起きして作ったのに!!」
「つい数秒前に作っといて何言ってんだボーボボ!オラァ次の挑戦者ッ!!!」

893顔負けの迫力で破天荒が怒鳴る。次の挑戦者は

「ところ〜〜てん〜冷た〜〜くて〜おいし〜〜いヨ」
「天の助か・・・・・」

ヘッポコ丸以下、審査員の心境は微妙なところであった。
本気で主食になろうと考えているようだから少しは期待できそうだが、何せハジケリストである。普通の料理を出してくる可能性は低い。

「そのまま食べてvVは無しだからな」
「・・・・・まともな料理、出してね?」

警戒を怠らずに言うヘッポコ丸とビュティに、不自然なくらい朗らかな天の助である。

「はっはっは、心配御無用。この日のために身を削って考案した新メニューだぞ」
「身を削るな!!」
「さぁ、たんとめしあがれ!!」

ビュティのツッコミを無視して料理が出された。

「・・・・・・・・・・・・・・・!」
涼やかなガラス素材の食器。細く切られた半透明の食材、心太が乗っている。
「日本の夏」という言葉も思い出すような、さわやかな料理であった。

「な、何かまともっぽいな」
「うん、コレなら食べられそう」
「・・・・・・・・・・・ふーん」

顔を見合わせて喜ぶ子供二人と、感心しながらも興味がなさそうな破天荒。
ともかく好印象だと感じ取ったのだろう。天の助が満足したように言う。

「仕上げにこのぬソースをかけて完成です!」
「待て待て待て待て待てええええ!!!!!」
「かけさせてください!!コレをかけなきゃ真のところてんとぬの耽美たるコラボレーションは完成しないのです!!!」
「知るかーーーーーー!!むしろこんなモノかけるな!せっかくおいしそうだったのに!!!」

必死に食い下がる天の助に、審査員も譲らない。

「はっ!!」

天の助の目が驚愕に見開かれた。

「まさか・・・この心太の80%が俺だということに気付かれたか!!?」
「やっぱりかあああああああああああああ!!!」
「オイコラ食材てめぇ、どっかで賞味期限切れだって言ってたよな!?」
「大丈夫、賞味期限が切れてても消費期限が切れてなければ食べられマス☆」
「味の保障をしろーーーーーーー!!!!」

横から入ってきたボーボボが、その心太料理と謎のソースを天の助にブチ当てた。顔面キックのおまけつきで。
天の助が地面に沈む。

「3につづく・・・・・・・・・」
「また天の助がしめたーーーーーーー!!」

 

 

続く

 

 

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はい、なんか続いてしまいました、ボーボボ料理(してない)小説。
破天荒さんが大活躍。アホとして。
ああああああああああすいませんすいませんすいません。
ところでライスどこにいったんだ・・・・・・・?

 

続き

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