「う・・・わあああ!?」

呼吸する暇も無く目の前の光景は変わってゆく。
走り逃れながらも時に敵に向き合い応戦する。
迫り来る敵をめちゃくちゃに撃つ。交錯するのは恐怖と、焦燥と。
カチンッ
その手の銃から弾切れを表す無情な音がした。
リロード。撃つ、撃つ、撃つ、撃つ、撃つ、撃つ、リロード。きりが無い。

「・・・・んのやらぁ!!」

隣の獄寺が悪態に近い声を上げて奴を撃つ。
ガンガンガンと放たれた銃弾は相手の頭や鎧または地面に吸い込まれる。
迫ってくる、早足に。こちらも全力で走っているにもかかわらず。
自分のダメージは深刻だ。あとの一撃で、命など簡単に・・・・
敵わない。

「獄寺君、あと、よろしくね・・・・・・・」
「十代目!?」

静かに言って、ツナは何かを手放した。


どたどたどたっ
ザギシュッ!!
ぎゃあーーーーーー。


   『GAME OVER』


画面に映し出された血文字。ツナは息を整えながらため息をついた。















ゲーセン














ちゃーららーらららーららららららららー
じゃしっ!ばしっ!どかーん!
じゃらららららっ
じゃんじゃんじゃんじゃじゃーん
ピロピロピロピロピロピロピロしゅぱーーーーーー

大音量で色んな音が混じる、ここは駅前のゲームセンター。
クレーンゲームから脱衣マージャン、中でもプリクラの機種の揃えがイイと評判の店だ。

ツナと獄寺と山本、リボーンにランボにイーピンは沢田低で休日をそれなりに過ごしていた。
いつものようにナチュラルに一触即発状態になった2名+αに、ボスは外で遊ぼうよと提案した。
じゃーどうせならいつも遊びに行かないところに行こう、との山本の希望により、
ゲームセンター行きが決まったのが20分ほど前。

ツナはテレビゲームは好きだがこういう場所はほとんど無縁で。
ゲームセンターの思い出といえば
小さい頃母の買い物が終わるまでモグラ叩きならぬワニ叩きに興じていた記憶があるくらいである。
そういうわけでどことなくゲーセンという場所に只ならぬ期待を寄せていたツナであった。
たとえば遊園地に行く前の子供の心境というか。
多少怖い場所だとは知りながらもワクワクしながら足を運んだのである。

そして着いてみてリボーンが、

「おいお前ら、これやってみろ」

一番に指したゲームは。
定番の変なカラーリングのガンコンでゾンビを撃ちまくりアドベンチャーゲーム。
そんなに怖くねーってという多少ゲーセン経験の豊富な山本の言葉を信じた自分を、
ゲームが始まった瞬間から後悔したツナだった。
画面半分に映し出されるのコンティニューの文字。
ツナは手に持ったガンコンもそのままに涙目で振り向いた。
山本が爽やかに笑う。

「ツナー、お疲れさん」
「山本ぉ・・・・・・めっちゃ怖かったんだけど!!」
「あはは、わりい」

悪びれも無い山本の声。
ツナは震えながらも山本にガンコンを手渡した。
ジャンケンで順番を決めた結果、3人のうち山本が最後になっていたのだ。
下からあきれたような声色でリボーンが言ってくる。

「秒殺されてんじゃねーよ、チキン野朗」
「だって!ゾンビはキモイし上から降ってくるし鎧つけてるヤツとかいるしキモイしいきなり来るからビビるしキモイし『HELP!』とかって言いながら出てきた人びっくりして撃っちゃうしー!!」
「どーせ助からないやつは楽に死なせてやるもんだ。その判断力は良いぞ」
「うわ、何か変なポイント褒められた!」

さすが本場のマフィアである。人の命をなんとも思っちゃいない。

「大体ツナ、お前はゾンビを撃つのにも躊躇いすぎだ」
「・・・リボーンは現実世界でも人撃つのに躊躇い無さすぎだろ?」
「獄寺を見てみろ」

聞いちゃあいない。
ツナが1P獄寺が2Pとしてゲームをスタートし、ツナがリタイアしたので山本が加わるまで獄寺はシングルプレイ。
アーケードゲームなどこれが初めてだというのに獄寺はツナよりもずいぶんと上手かった。
そんな彼をツナは渋々振り返る。

「うおおおおおおおおお十代目の仇ぃぃーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

バキュバキュバキュバキュズガーーーーーーーン!!!!ずしゃー(中ボスゾンビ撃破)

「あの必殺の気合、イタリアで戦ってただけはある」
「・・・・・・・・・あんなこと叫んじゃってるけどあくまでもマフィアに繋げるんだなお前は!!?」
「ツナも見習え」
「イヤだよ!!どこをだよ!!!」

そうこうしているうちに、山本が100円玉を機械に投入した。
コンティニューの文字がプレイヤー画面に変わる。
山本の、にまっと笑いながらガンコンを構える姿は、なんというか様になっている。

「ちっ、余計なヤツがきやがった」
「獄寺あ、お前ホントにコレ初めてやったのか?ステージ2のボス倒してまだ1ダメージじゃねーか」
「初めてだっつーの。簡単じゃねーか実戦の方がスリルあるし」
「すッげー。実践って水鉄砲の打ち合いとか?」
「バッカ、足ひっぱんなよ」

ツナからすると獄寺の発言が一番スリルがあるのだが。
とまれ、ステージ4の扉が開く。
初っ端から扉をブチ破って現れたゾンビに、戦線を退いたツナもびくりと背筋を震わせた。
二人の放った弾丸が命中し、グロテスクな効果音と共にぶっ飛ぶゾンビ×3。
よく見るとリボーンの近くではランボが恐怖で硬直している。
そのまた横のイーピンは近眼でゾンビが見えて無いらしい。

「ららららららランボさん怖くなんて怖くなんて怖くなんて怖くなんて怖くなんて」
「バグんなよ。これは怖いモンなんだって。俺も怖かったし・・・・・・・」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ?」
「リボーン、イーピン何だって?」
「『誰かの悲鳴が聞こえるけど助けなくていいの?』」
「その悲鳴ゾンビのだから!!」

この幼児どもはここに置かない方がいいかもしれない。
ツナはランボとイーピンにそれぞれ200円ずつ握らせてゲーセン店内へ放った。
ちょっと目を離すのはマズイかなあとも思ったが、まあ彼らも場所をわきまえるだろう。たぶん。
リボーンが顔を上げて言ってくる。

「アイツらいいとこまでいってるな」

獄寺と山本はもう既にステージ5までいっていた。
片や本場(?)イタリアでの実戦経験が豊富な獄寺。
片や野球で培った驚異的な動体視力の持ち主の山本。
さすがなもので、ここまでダメージを半分くらいしか負っていない。
別にイタリアがゾンビの本場というわけではないが。

「スゲー二人とも・・・・なんか人だかりまで出来ちゃってるし」
「俺から言わせればまだまだヒヨッコだけどな」
「じゃあそれ以下の俺って一体・・・・・・・・・・・・・・」

周りにいい男ばかりで何だか悲しくなってくるツナである。
と、ここになって初めて二人の戦況に曇りが見え始めた。
敵は巨大な筋肉のカタマリのような・・とりあえず人型をしたゾンビ。
撃ち続ける銃弾が当たってもびくともしない。
そのくせ以外に動きが素早く、接近しては鋭い爪でもって攻撃してくる。強敵だ。

「ハッ、おめーも大したことねーな野球野郎!!」
「何言ってんだ獄寺も瀕死だろ?」
「うっせー!俺は十代目にイイトコ見せんだよっ!!テメーは敵と一緒に自爆するとか起爆するとか誤爆するとか気ィきかせろ!!!あとは俺がクリアするっ!!」
「シューティングゲームで爆発系ってできっかなー・・・まあいいや負けたらツナに慰めてもらお」
「何言ってやがる!!十代目ー、俺は膝枕でお願いします!!!」
「便乗するなよ獄寺君!つか二人とも見事に足引っ張り合ってる!!!」

身の危険を微かに感じつつツナは叫んだ。
言い合っているうちに戦況は進み、獄寺たちはライフポイント残り1まで追い詰められていた。
このゲームには『逃げる』という選択肢が無いのである。
迫り来るゾンビ。あと一撃でゲームオーバー。生き残る方法は・・・・・

「貸せ」
「リボーンさん!?」
「うお、チビ?」

テレポーテーションでも使えるのか、リボーンはいつの間にかゾンビの迫り来るゲーム画面の真ん前に立っていた。
言い終わらないうちに獄寺と山本の銃をすばやく奪い取る。
余裕の表情で荒野のガンマンよろしく両手のガンコンをひゅんひゅん回し(コードさばきも見事だ)。
敵のゾンビが肉迫した、刹那。

ダダダダダダダダッダダダダダダダダッダダァン!!!

唖然とする観客達。言葉を失うファミリー一同。
サブマシンガンのフルオート射撃も真っ青の連続早撃ちである。
一応拳銃を模したガンコンでこんな芸当をできるものは世界に何人いたものか。
その弾の速さといったら、ゲーム画面の映像が追いつかないほどである。
しばしして倒れるゾンビ。
こんな状況でニヤリと笑えるのはリボーンくらいだ。

「雑魚が」

ツナにとってはムカつくくらいカッコイイ。

「リボーンさん、スゲーッス!!」
「やるなーチビ!」

横から掻っ攫っていったのも納得の腕前だった。
獄寺が興奮気味に拳を握り、山本が素直に拍手を送る。
騒がしいゲームセンター内に小さく歓声が上がった瞬間だ。
ただツナだけは不満そうな顔していたが。

「十代目、見ました!?リボーンさんスゴいッスね!人間業じゃないですよっていうかほんとに人間ですか?」
「いやそんな軽く最重要核心ズバリ聞かれても」
「チビって芸達者なのなー。最近の子供ってみんな成長早くてよ」
「あんなのがウジャウジャいるのかなマフィアの世界って!?もうやだよワンダーランドだよ!!!」

頭を抱える。二人は構わず喜んでいる。リボーンは勝手に進めて次のステージのボスと対峙している。

「リボーン・・・・・・お前手助けしたんじゃなくて、結局自分もゲーム楽しみたいだけじゃないのか?しかもタダで」
「世の中主導権を握ったモン勝ちだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・勉強になりました」

じゃあ俺はいつまでも負け組なのかと思いつつ、ツナはリボーンの銃さばきを半眼で見送っていた。









 






「十代目ーーーー慰めてくださいーーーーー」
「・・・・負けて無くない?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「いや、うん、分かった。分かったからそんな消費者金融のCMのチワワみたいな顔しないで・・・・・・(ちょっと古いし)」
「じゃあ十代目・・・・ひ、膝まく・・ら・・・・」
「・・・家帰ってからね」
「(ぱあっ!!)」
「俺は添い寝でお願いな」
「うおお、山本、前から幾度となく言ってるけど俺に抱きつきながら登場するのは癖か何かなの!?」
「(カッティーン!!)」
「あ、リボーンがクリアしちゃった」














 





結局それからノーダメージでクリアしたリボーン。
彼は途中参加にもかかわらずハイスコアランキングに思いっきり自分の名前を残して満足していた。
結構自分勝手な家庭教師である。
ファミリーが揃って珍しく器物破損に事が至らなかったのはいいが、ツナはもう帰りたい心境だ。
なんたって周りのヤツが器用すぎる。

「俺にでも楽しめるゲームって無いのかなあ、運動音痴で方向音痴でもちろん基本の音痴もバッチリ抑えてる俺にも楽しめるゲーム」

顔に影など作ってツナはため息をついてみせた。
満面の笑みのままリボーンが言ってくる。

「手先が不器用ってのを忘れてるぞ」
「あううううううううううううううううううううううううううううう」
「まーまーツナ、コレなんかどーよ?」

山本がぽんぽんと肩を叩いて、ひょいと横を指差した。
もはや泣きそうになっていたツナが顔を上げると、
派手な装飾に光が時々入るアーム。何台も在って、その違いは中のぬいぐるみか。透明なプラスチックの薄い壁。

「クレーンゲームかあ・・・・・・・・・・・」

コレなら俺にも出来るかな、と見上げてみれば山本がにこりと笑う。大丈夫、とでも言っているようだ。

「このミッ○ーとか取りやすそうじゃね?」
「ん、あそこの隅の○゜ーさんは?向き的に取りやすそうだけど・・・・・」
「あー・・・あの辺クレーンがとどかねーとこだから無理かも・・・・・・」
「そうなんだ。何か難しいね」

ちょいちょいと肩をつつかれて振り返る。
獄寺がイイ笑顔で隅のクレーン機を指していた。

「十代目ッコレなんかどうです?」
「うわあ、マツケン人形!!!!?外人が日本人形をお土産にするノリか!!?」
「コレが一番うまそうだな」
「リボーンはうまそうとかそういう基準なのか?ザリガニキャッチャー・・・ってこのザリガニ生きてるし!!生き物はダメ!!」

イタリア育ちなのに変な所が逞しい。
よく見るとザリガニキャッチャー・・・普通に水の中で動き回っているザリガニを電子制御された網で捕まえるゲーム(?)・・・にイーピンがぴたっと貼りついてザリガニを見ていた。
ふと思いついて、ツナはイーピンに一声、かける。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それは海老じゃないよ?」
「!!!!!!!!!」

ショックを受けたようだった。
まあイーピンの近眼で海洋生物に見えただけでも良い方だ。そう思うようにしよう。
ともあれツナはクレーンゲームに向き直る。

「・・・よーし、あのミッ○ー取るっ!」
「がんばってください十代目ー!」
「おー、がんばれツナ!」

部下の応援を背に受けながら、ツナは100円玉を機械に入れた。
緊張した面持ちでクレーンを横に動かす。3次元でリアルにぬいぐるみの位置を想像しながら、慎重に指を離した。
次は縦の動きだ。

「ゴルァてめえ、十代目が集中してらっしゃるときにやかましい音ゲーやってんじゃねーよ!」

ごつー。後ろから聞こえた声に頭を思いっきりぶつけた。
クレーンのアームが衝撃で少し揺れる。

「いいかてめぇら十代目の邪魔をすることは借りたマンガのヒロインの顔すべてに鼻毛・無駄な眉毛等を書き込むことに飽き足らずその借り物のマンガの最後のページに自分の家のハンコを押すことに匹敵するいやそれ以上の罪なのであっていわば昔話を喋らせてあわよくば『おもしろ動物コンテスト』に出場させようと大事に育ててきた九官鳥に勝手に言葉を覚えさせる事とそれは同意であり十代目の邪魔をするということはそれほどまでのそう死に値するほどの重い罪一生十字架を背負って」
「うう・・・・・やる気が思いっきりそがれる・・・・・・・・」
「黙っとけ獄寺・・・前々から思ってたけどお前自分が邪魔してる自覚は全く無いのか?」

それはまあ心頭滅却すれば火もまた涼しということで。
クレーンを手前から奥のほうへ動かしてゆく。
目的のミッ○ーまではあと少しだ。指を離すタイミングまで、あと数十センチ・・・・・

「うわああああああああああああん!!ツナーーーー!!!」
「うおわああ!!?」

いきなり参入してきた泣き声に、なまじ集中していた分びくりとする。
同時に足に覚えのある感覚、いうなればモジャモジャと鼻汁のコンビネーションを喰らった。
驚いて足元を振り返ると案の定ランボがしがみついて泣きじゃくっている。

「ううわあああああああああああああああああん」
「ど、どうしたんだよランボ・・・」
「出やがったなボヴィーノのパラサイト・モジャ!!十代目の邪魔しやがって」
「獄寺君お口にチャック!!!泣いてちゃ分からないだろ?どうしたんだよ、ランボ」
「そ・・そこのゲームの・・・・・・・」
「ゲームの?」
「お菓子取れなかった」
「ンなことで泣くなァァァァァァァァ!!!!」

こっちが泣きたい、と思ったのはコレが初めてではないツナである。
泣き虫の牛は今日も親切な山本に引き剥がされた。
ほっと息をついてクレーンゲーム機に向き直る。

「げ」

ランボがしがみついてきた衝撃のせいか、当初狙っていた場所よりずいぶん手前でクレーンが動いていた。
目標のミッ○ーからは程遠い場所で勝手に降りてゆくクレーン。
何だか、前半の苦労はなんだったのかとツナはちょっと思った。

「ありゃりゃ・・・でもまあ、取れりゃあ良いけどな」
「う、うん・・・・・・」

ランボを抱いた山本の言葉に気を取り直してクレーンを見続ける。
アームはぬいぐるみの山の中に近づいてゆく。
丁度その時、二人の言葉を聞いていた獄寺がきょとんとした顔をした。

「十代目、あのぬいぐるみが欲しいんですよね?」
「え、うん・・・・」
「早く行ってくださいよ!こうすりゃいいじゃないですか」

獄寺の満面の笑みに、このごろツナは条件反射に寒気が走る。
制止をかけようとするにも間に合わず獄寺がクレーン機の上部をぐわしと掴んだ。
続いて取り出し口付近に思いっきり足をかけて、

「ちょ、ご、獄寺君!!!?」
「・・・んっ!」

力一杯傾ける!
メキメキ、不吉な音と共にクレーン機が見事に傾いて中のぬいぐるみが雪崩を起こした。
獄寺はそれでも降下し続けるアームに狙いを定め、目的のミッ○ーを転がす。
微細な位置調節、絶妙な力加減、もう言葉にならないツナ。
獄寺は見事にミッ○ーのぬいぐるみをゲットした。

「うお・・・すげー・・・・・・・」
「うっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!?」

クレーン機をごしゃーっともとに戻して、取り出し口に落ちてきたミッ○ーを拾い上げる。
これ以上無い笑顔で獄寺はそれを差し出した。

「どうぞ、十代目!」
「あ・・ありがとお・・・・すごいね獄寺君・・・・」

極当たり前のようにルールを無視する(というか最初からルールを守る気がさらさら無い)彼の思考に驚くばかりだ。
普通にやってのけてしまう行動力にも。

「十代目のためなら、何だってしますよ、俺っ!」
「スゲーなー獄寺!」
「もっと欲しかったら言ってください、こんなプラスチックの壁ならコレ1本で十分ですから」
「通販かなんかじゃないんだから!!!ダイナマイトは無し!ね!!?」

獄寺は獄寺である。二人のやり取りに山本が爽やかに笑っていた。
それにしてもこのクレーン機、もしかして壊れたのではないか。嫌な予感が頭を過ぎる。メキッとか逝ってたし。
と、このゲーセンの店員らしき男が近づいてくる。
ツナと山本はぎくりとした。

「あの〜〜、ここら辺でメキッとかずしゃーとかイイ感じに嫌な音がめっさ聞こえてきたんですけどー」
「バッチリ空耳ですって!」
「気のせいです気のせいです気のせいです!!!!よしみんな、撤収!!!」

山本がフォローをいれ、ツナは慌てて叫んでランボのツノを引っつかみ、皆に店を出るよう呼びかけた。

「どうしたんです?ああ、邪魔者なら2,3本威嚇に使って・・・・・」
「山本、獄寺君を大至急回収!!!!」
「ラジャ!」
「うわ、何しやがる!?」

力仕事は山本任せだ。あとはリボーンとイーピンだけ・・・・・・・
ツナは先程の『ザリガニキャッチャー』の前に走った。

「リボーン、イーピン、急いで出来るだけスピーディーに素早く帰るよ!!」
「見ろ、今日の晩飯だ」
「ぎゃあああ大漁おおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!ってそんなにザリガニ獲ってどうすんだよ!!!」
「喰うに決まってんだろ」
「ワイルドな魅力溢れまくりだなお前!!ザリガニって食べれんのか!!?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
「・・・何?」
「茹でるとおいしいよ」
「知るか!!!」

コンニャク問答している場合ではない。
ツナは腕に抱いていたランボを小脇に抱えて、反対の腕にイーピンを抱いた。
リボーンは・・・・・・まあ自分で何とかなるだろう。
転がるように店を出る。人が見ていて恥ずかしいがそれどころじゃない。

「ツナ隊長ー、隊員山本、無事脱出しましたー♪」
「元気だなー山本・・・・って獄寺君がぐったりしてるッ!!?」
「いやちょっと暴れるもんだから秘孔突いちまって」
「微妙に過失じゃないよな、それ!?」

そうこう言う間に店員が追いかけてきた。
幼児を抱えたツナ、獄寺(の足)を引きずった山本、大量のザリガニを捕獲したリボーン。
3人は揃って駆け出す。


最近こんなんばっかだな、と思わないでもなかった。



























 

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勝手に30000HIT記念ギャグでした。
勢いのままに書いたのがバレバレです。ごめんなさい。
みんなキャラが大変なことになっていますが見逃してください(無茶な)
こんなんでも一応フリーでございます。
たなとりトンボ産ですよっていうのを表記して、
文章が変わってなければ(後書きは抹消して結構です)、
レイアウト変えてもどこに貼ってもOKです。リンク・報告もご自由に。
つか、こんなんもらう方、いるのか?(聞くなよ)

*フリー配布期間は終了しました*

 

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